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2012年3月

2012年3月25日 (日)

音痴が治った?

1月末、俺は2月4日の歌会を目前に控え、「さて、今回は何を歌おうか」と考えていた。

とにかくオリジナルを歌い続けるか。たぶんそれがあるべき姿だし、特に準備もいらないので一番楽でもある。でも5曲しかないオリジナルは、もっと「ここぞ!」という時のためにとっておきたい気もするし、気持ちを入れずにただ回数だけこなすというのは... 今はまだ、新曲を完成させる気もしないし...

それより何かコピーをやってレパートリーの幅を増やそう。新しいギターテクを練習する余裕はないが、プロの歌詞やメロディー、コード進行を体感しておくことは、今後の曲作りにもきっと役立つはず。ということなら...

最初に思いついたのは奥田民生。以前このブログにも書いたが、久々に「広島球場ライブ」のDVDを見てみる。で、持っている「歌本」やらネットやらを駆使して、何曲か歌詞とコード進行を入手。早速あれこれ試してみるが...

ん? 何か違う。これも... これも... 何かしっくりこない。ちょっと上手く行かないところがあるとすぐに投げ出し、何故か根気が続かない。新しい曲に挑戦するときのワクワク感が沸いてこない...

何だろう、これは。俺って夏男だから、冬はイマイチ気分が乗らないのかも。こういうとき、自分の気持ちに嘘をついて空元気を搾り出すのは良くない...

ってか、やはり、このDVDの弾き語りはすべて、奥田民生が歌うからいいのであって、俺が真似してもダメなんじゃないか。これは奥田民生の心の叫びであって俺の叫びではないのだから。ってか俺、長年の民生ファンではないので、曲への愛が(聴き込みが)まだ足りないのかも...

そんなこんなで今回は、とりあえず奥田民生は封印した。もっと気分が乗ってるときに、もっと曲を心に染み込ませてから再挑戦かな。


というわけで... テンション低くてもできる曲。今の気持ちに合った曲。俺が本当に好きで、心に染み付いている曲... と考えてたどり着いたのが、渡辺美里の『サンキュ』だった。これなら...

スコアはないので、仕方なしに耳コピ。ってか、歌いながら適当にコードを付けていった。本物はどうか知らないが、俺がつけたコードは、あっけないほど簡単なCのスリーコード。ちょこっとだけ経過音?を挟んで...ものの10分ぐらいで完成した(昔に比べれば少しは成長してるのかな?)。弾きながら歌ってみる...

気持ちいい。う~ん(感動)。
よし、おっけー、これでいこう。

が... ほっとしたのも束の間、俺はICレコーダーで録音した自分の歌を聞いて愕然とした。coldsweats02

ええっ! こ、これは...

全然よくない。まったく感動できない。え?これどういうこと? 音程が所々怪しいってのはある。でもそれだけの問題か? 何というか、レコーダーから聞こえてくる俺の太いガラガラ声が... 俺が歌いながら感じている曲の世界観とまるでかけ離れているのだ。

う~ん... これは参った(汗)。こんなにいい曲なんだから、こんなにいい歌詞なんだから、誰が歌ったって、どんな声で歌ったって感動するに決まってる... それはあまりにも甘かった。俺の歌う『サンキュ』は、全くその良さが伝わってこない。棒読みで退屈なお経のようだ...(超・苦笑)。

ぶっちゃけ俺、歌詞とメロディーさえ良ければ、人は感動すると思っていたふしがある。だからこそ曲づくりに必要以上に時間をかけるし、曲は作る段階で練りに練っておけば、あとは歌詞を間違わずに歌うだけ、ぐらいに...

でも違った。歌は作っただけではまだ半分。誰が歌うか、どう歌うかで、伝わり方は全然ちがう。素材をどう料理するかで、表現の幅は無限に残されているのだ。だから歌手っていう仕事があるんだよな。そんな当たり前なこと... sweat02


さて、どうしたものか。このままじゃあ人前に出せない。出す気がしない。でもこれをやりたい...

問題点は何か。たぶんこの歌を歌うには、俺の野太いガラガラ声はどうにも耳障りなのだろう。もっとまろやかに、やさしい感じにならないものか...

もっと力を抜いて、やさし~く歌ってみよう。そう思って歌ったとき、自然に出てきた声が...

文章で伝えるのは難しいが、溜息のような、冬の朝に白い息を「は~っ」ってするような、喉で響かない声...(かな?)。

キーは低いまま。声質だけ変えて歌い進める。すごく歌いやすいし、歌っていて気持ちいい。同じ歌なのに、さっきとは歌っているときの感覚がまるで違う。

う~ん、いいね~。やさしげだね~。

サビの高音部に来て、自然にファルセットが出た。

おおっ いいね!

人生初?のファルセット! 若い頃はどんなハイトーンの歌も地声で青筋立てて押し切ってたからな(苦笑)。オリジナルは高低差の少ないだら~とした曲ばかりで、ファルセットの出番なんてないし(笑)。

いや~、いいんじゃん?

歌い終えて、俺は思わずニンマリ。
ワクワクしながら録音を聞いてみる。

う~ん...

聞いた感じはあまり変わらない。微妙に柔らかいが、やはり俺のガラガラ声だ。でも...

でも何かいい。 ほんの少しいい... いや、すごくいい!

なんでだ?!

音程がいいのでは? 音程がジャストで来てるのでは?

今まで俺は、歌ってる時と、録音して聞いた時のギャップにずーっと悩んでいた。それはよくある「違う人の声みたい」という、声だけの問題ではない。音程が違うのだ。歌っている時はバッチリ音程が合っているつもりなのに、録音を聞いてみるとあちこち、あるいは全体に、ぼわ~と音程が外れている。かすかに、でも絶対に。いつも気分は「こんなはずじゃ...」だった(苦笑)。

でも! 今回のこの録音は、ジャストで来ている! あるいは十分許容範囲内に入っている! 歌っていた時に自分で聞いていた感じと、録音を聞いた感じが、同じなのだ。同じなのだ! これは気持ちいい! これで下手と言われるなら、それはそれでしょうがないと思えるから...

俺はファルセットの位置や最高音などを入念に確認し、音程に注意しながらもう一回歌ってみる。

気のせいかな? でもなんか超うまいんですけど...

俺は何度も歌っては録音し、歌っては録音し、従来の歌い方でも録音して聞きくらべ... キーもカポなしのCから4カポまで、いろいろと歌い比べ、聞き比べ... やっぱり上手いと思うけど...


妻の帰宅後、俺は恐る恐る「あの~、聞いてもらいたいものがあるんですけど...(笑)」。

はじめに従来の歌い方で歌った録音。妻はいつもと同じ微妙な苦笑で「うん、いつもと同じ(=下手)だね」。

次に新しい歌い方で歌った録音...

妻、「ん?... おっ... えーっ? いいんじゃん?」

結婚以来10数年、俺の歌にダメ出しし続けた妻から、ついに、ついに、OKが出た! 俺は嬉々として上述のウンチクを語り、妻も「へ~っ、お父さんこんな歌い方できるんだ? 声も何か個性あるかも...」と感心している。

ついに、ついに、長いトンネルから抜けた。未来が開けた。歌は上手くなるんだ! 音痴は治るんだ! こんなことって...

悩みの先には答がある。人間やればできる。歳をとっても人は成長する... ワッハッハ... 笑いが止まらなかった。

これが本物なら、こりゃあ革命だぞ! My revolution だ!

この歌い方を知らなかったわけではない。少なくとも「今月の1枚(09年5月)」を書いたときには知っていたし、自分もこういう声が出せることは、たぶん知っていた。でも、これを意識的に使ってみようと思ったのは、たぶん今回が初めて。もっと早く気づけばよかったよ。

でもなぜ、この歌い方だと音程が合うのか、それは謎だ(笑)。

歌っているときの感覚(空気の流れとか自分への聞こえ方とか)は劇的にちがうのに、録音から聞こえてくる声質の違いはごくわずか。ただ音程だけがすごく良くなる。不思議だ。

ま、いっか。結果オーライ。これも俺の声。いや、これこそが俺の声なのかもしれない。何か新しい自分に戸惑う思春期のような、嬉し恥ずかしい気分だった。


さて、歌会、もう1曲は何にしようかなあ... やっぱオリジナル? 気分的には 『種を蒔く』 あたりかな... なんて考えていたら、前にも書いたように天ちゃんからメールがあり、アリスの『チャンピオン』をやることに。

アリスと言っても2人で歌うわけではなく、天ちゃんはエレキの伴奏に徹する。ボーカルは俺1人の担当だ。

ユーチューブでアリスのお手本を聞きながら... そうだ、新しい歌い方を発見した今なら、谷村新司と堀内孝雄の歌い分けができるぞ(笑)。谷村新司は新開発の抜き気味の声で、堀内孝雄は元々の俺の男らしい地声で...

早速録音して聞いてみると... う~ん、やはり谷村部分、少し音程がいい気がするなあ。


そして2月4日、歌会本番。お客が少なくいつもよりしんみりとした雰囲気の中、ちょっと寒い『チャンピオン』と(笑)、しっとりとした『サンキュ』を歌った。1曲目の『チャンピオン』はさておき、『サンキュ』は、心地良い緊張の中、イメージ通りに歌うことができた。お客さんに伝わったかどうかはわからない。でも自分には伝わった。自分が元気になった。客席に戻った俺はきっと、かわいらしい、満足げな笑顔をしていたことだろう(笑)。



さて、ここで話が終わればいいのだが...
(今回も長引きます... 苦笑)



それからわずか2週間後の2月18日にも、俺は歌会に行かなくてはならなかった。『歌会日記(9)』にも書いたように、この日は大学時代のかわいい後輩Aけんがゲストだからだ。今回はたぶん「ここぞ!」という時なので(笑)、俺は迷うことなく、オリジナル2曲を歌おうと決めていた。

「音痴は治った」、「聞き苦しい声も少しは緩和された」、もう恐れるものは何もない。俺は本番の数日前、演奏予定の『種を蒔く』と『第4コーナー』を「新しい歌い方」で練習してみた。ICレコーダーで録音しては聞いてみる、を繰り返す。が...

『種を蒔く』
う~ん... 多少は上手くなってる...(かなあ?)。でもやっぱり、歌っている時ほどは劇的な変化は感じないなあ。

『第4コーナー』
う~ん... あまり違いが分からないなあ...

ってかね、オリジナルは俺、そんなに音痴じゃないんですよ(たぶん)。自分で歌いながら作ってるから、自然と歌いやすい音域に納まってるし、自分の声と歌のイメージは元々合っているはずだし...

俺は思ったほど劇的な変化がないことに戸惑いながら、他のオリジナルもすべて歌ってみた。そして重大なことに気がついたのだ。

新しい歌い方にはパワーがない。低音とは言え、たぶんほとんど裏声のような状態のささやき声なので、地声のようなパワーは出ないのだ。

この「ささやき系」の声がハマるかどうかは曲次第で、『焚き火』のようなバラード?は、そう言えば元々この声に近い声で歌っていた(爆)。でも他の曲は、あえてやさしく歌う必要はなく、『大往生』に至っては、この歌い方で歌うと全然雰囲気が違ってしまう。本当は能天気なお祭り騒ぎ風の曲なのに、何か妙にしんみりと、説教じみた歌になってしまうのだ(苦笑)。

う~ん... これはいかん。sweat02

さらにもう1つ、気になる点が...

歌詞が聞き取りづらいような気がするのだ。口先でしゃべるように歌っていた今までの歌い方に比べ、新しい歌い方はもっと喉の奥のほうから溜息のように言葉が出てくる。録音して聞いた感じではあまり変わらないのだが、歌ってる本人としては、これでしっかり伝わっているのか不安になってしまうのだ。気のせいか、慣れの問題か、あるいは滑舌などの訓練が必要なのか...

「歌の道」はそんなに甘くはなかった。

どうやら今回の「音痴が治った?」騒ぎは、俺の歌い方が全面的に進化したわけではなく、歌い方(声の出し方)のバリエーションが1つ増えた、というだけなのかもしれない。

ま、それでも十分大きな1歩ではある。曲によって雰囲気を変えることができるし、1曲の中でメロディーや歌詞の変化に合わせて、地声と「ささやき声」をミックスしていくこともできる。

ただ、その場合、勢いを犠牲にして音程をとるか、音程を犠牲にしてでも勢いをとるか、常に微妙なさじ加減を迫られることになる... (泣)。

というわけで、「これで未来が開けた」、「こりゃ革命だ」と、あれほど舞い上がった俺の気持ちは結局、「な~んだ、やっぱり甘くねーな」という無難なところへと降りてきたのであった(苦笑)。


2.18 歌会。『歌会日記(9)』に書いた通り、そんなこんなで演奏はいつもの通り、悪かったような、良かったような...

偶然出合ったシンガーソングライターHDI君とのトークの中で、俺が、「声なんて普通、最低2オクターブぐらいは出るんだし、物真似みたく、いろんな声を出すことだってできる... 一体 『自分の声』 って何なの?」みたいなことを言ってみると、HDI君は

「ぶっちゃけ(今しゃべってる)その声ですよ」

と、俺の胸を指差した。一瞬ドキッとした。そういえば昔、ぎたろー先生も同じようなことを言ってたな(→ 『苦悩』参照)。たぶん答えは、ここらへんにあるのだろう...


翌日、妻が iPhone でカラオケのアプリをダウンロードした。このアプリとICレコーダーがあれば、自宅で超簡単に、いくらでも歌の練習ができる。すごい時代になったもんだ。俺は早速、何曲か歌ってみた。う~ん、やっぱり普通に下手だな(苦笑)。

その後も家族4人で争いながら順番にいろいろと歌って(カラオケボックスと同じ状態、笑)、でもそのうち妻子たちは飽きて、俺だけがマイク(マイクはないけど)を独り占め。

昔超歌いこんだハウンドドッグとか、昔ちょっとハマった森山直太郎とか平井堅とか、密かに自信がある演歌とか、アニソンとか... あれやこれや、上記2種類の歌い方を使い分けてみたり、キーもいろいろと変えてみたりして、実験に実験を繰り返した。しかしどれもぱっとしない。歌えば歌うほど、そして自分の歌についてウンチクを垂れれば垂れるほど、俺はドヨ~ンと落ち込んでいった。

またか... またここに逆戻りかよ...

どんどん落ちていく自分。
が、ふと気づき、俺はそこでぐっと思いとどまった。
待て。今こそ↓これだろ。

 『世界でいちばん自分を愛して』 (中野裕弓・著)

以前に読んだスピリチュアル系?の自己啓発本。自分をけなさない。自分にやさしく。世界中が敵に回ったとしても、自分だけは自分をかばってやらなければいけない...

もう自分のこと「下手、下手」言うな。そんなんじゃ、言霊で本当に下手になっちまうぞ。

俺はまあまあ上手い...
俺は十分魅力的...
いや、すごい可能性を秘めているかもしれない...
いやいや、俺はこのままでもう「完璧」なんだ!(笑)



...というわけで、

まだまだ悪戦苦闘は続きそうだ。テクニック的にも精神的にも、学ぶことはまだまだたくさんあるのだろう。でもそれが楽しい。

ちょっとのことで笑ったりいじけたり、舞い上がったり落ち込んだり... 40過ぎてこんなことで悩んでいられるって、たぶんすごく幸せなんだろうなぁ(笑)。

この際、悩みきってやろう。あがききってやろう。やることをすべてやりきれば、きっと清々しさが残るはず。その清々しさの中でなら、たぶんどんな結論も受け入れることができる...

ま、とりあえず、これからも楽しく、一歩一歩、ゴールに向かって突き進むだけだ。


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2012年3月 2日 (金)

歌会日記(9)

前回の歌会からたったの2週間。俺にしては異例のハイペース。それは今回のゲストが大学時代の後輩「Aけん」だから。ところが当日の2日前、Aけんから電話があり、「(相方の)J君が右手の指を剥離骨折...」。Aけんは「俺がひとりで弾き語るしかないかな...」などと言っていたのだが、翌日また電話があり、「の、のどが...」。なんと自分も風邪で声が出なくなってしまったようで...


2月18日(土) 晴れ

でも当日、この日は当ブログ・コメント欄でお馴染みの「天ちゃん」もゲスト・シンガーの1人。持ち前の「集客力」でたくさんのお友だちシンガーを集めていた。Aけんも歌うことは断念したものの、職場の同僚を2人も連れて登場(しかも1人は超フォーク人間、有望な常連候補?笑)。そんなこんなで店は久々に満員。ちょっと前の賑やかな歌会が戻ってきた。(Thank god!)

1番手はAけんたちのピンチヒッターに急きょ指名された「りえぞう」さんと「ダニエル」さん。ダニエルさんの反原発ソング『原発のいらない子どもたち』はよかったなあ。

2番手は俺の知らない男性。何やらニヤニヤ、何となく「ダラ~」としたオヤジ(決して悪い意味ではない!)だったが、魂のこもったビートルズ等を熱唱し店を沸かせた。

3番手(トリ)は「天ちゃん&りえぞう」さん。天ちゃんはここのところ体調があまり良くなく、話をしていても弱気発言が多いのだが(笑)、やはりお客が満員だとヤル気倍増。絶好調時の90%ぐらいまでは回復かな?


さて、歌会「お客さん編」。俺は司会進行役の天ちゃんにお願いして、なるべく出番を遅らせてもらった。なぜなら待っている人が2人もいたから。1人は当ブログ・コメント欄でお馴染みの「小林さん」。前述のように小林さんからはミニギターを買ってもらっており、この日はいよいよそのギターのお披露目。仕事で遅れるという小林さんの到着を待ってから歌いたかった。

そしてもう1人は...

小林さん同様、このブログを通して最近知り合った「竜くん」。竜くんの場合はコメント欄より先にメールが来た。
趣旨は↓こんな感じ。

詩唄いを目指して早20年...
こんなブログ無いかな~と思っていたら有りました。
来年はデビューしたいと思っている者です。
構想は20年以上前から、行動は去年から...
目標は某テレビ番組の紅白...
私195●年生まれの若造です。
このブログはさださんの『空缶と白鷺』からたどり着きました。

正直、はじめは「とぼけたオヤジが舞い込んできたな~」なんて思ったのだが、その後何度かメールをやり取りしているうちに分かったことは、この人は以前、『たけしの誰でもピカソ』というテレビ番組に何度も出場していたアマチュア芸術家だということ。意外とすごい人だった!(驚)

【↓check it out!】
http://talent.yahoo.co.jp/pf/detail/pp392369

【↓竜くんのコメント欄登場はコチラ】
ギター降臨、そして...

ま、「類は友を呼ぶ」と言うし、このブログがこういう変な人を呼び寄せたってことは、俺的にも何かすごくいい兆候なのではないかと...(笑)。それにしても、さだまさしファンで、構想20年で、「デビュー」を目指してるって、ホント俺そっくりだよな(苦笑)。

で、この「竜くん」を歌会に誘ってみたら「仕事(焼き芋屋!)が終わったら駆けつけるんで待っててね」とのことだったので、俺は会ったこともないこの人をそわそわしながら待っていたわけ。せっかくなら俺の歌も聞いてもらいたかったし。

そうこうしているうちに小林さんは登場。でも竜くんはなかなか来ず。歌会「お客さん編」はどんどん進んでゆく... 仕方がないので歌うことにした。

今回用意していたのはオリジナル2曲。『種を蒔く』と『第4コーナー』。今回は後輩のAけんと「対決」するつもりだったので(笑)、Aけんにはまだ聞かせていないオリジナルで勝負しようと。Aけんのオリジナルは聞けなくなってしまったけど、竜くんが来るのなら、やはり自己紹介がてら、オリジナルで自分をさらけ出そうと...

『種を蒔く』
ぶっぶー。だめ~downbearing。なんか調子が出なかった。前日までの練習で、キーとか、声の出し方とか、上手いとか下手とか、そういうことで悩んでいたら(後述)、本番でも迷いが出てしまって、マイクと口の距離とか、ギターの音量とか、すごく気になってしまって... 全然歌に集中できなかった。大事なところで歌詞噛むし、立っている足はやっぱり浮つくし... おい、もう何回ここで歌ってんだ? この期に及んでまだ緊張するとは、情けないを通り越して、ちょっと怒りがこみ上げて来たよ... う~ん、おかしいなあ。家ではなかなか気持ちよく自分に酔えるんだけど...weep

『第4コーナー』
歌前のMCで思わず、「なんか緊張しますぅ... 皆さん緊張ってしないんですかぁ?」と弱音を吐くと、会場からは「するよ」「するする」と励ましの声が。おお、ありがとう! 気を取り直して元気に歌い始めた。でもまあ、やっぱり出来はイマイチ...

で、1番を歌い終わるあたりで... カランコロ~ン♪ と店の扉が開いた。竜くんだ! 竜くんも俺に気がついた。お互いメールで顔写真を見せ合っていたからだ。それにしてもどういうタイミングで登場してんだよ(笑)。俺は会釈と愛想笑いだけでは気が済まず、ギターを弾いたまましゃべり出した(前に GO君がやってたように)。

「え~っとですね、あちらに只今到着しましたのが、たけしの誰でもピカソでお馴染みの?万能文化芸術家?北本竜一さんで~す♪...」 みたいな。

俺、リズム感とかあんまり良くないんで、ギター弾きながらしゃべるとか上手く出来ないんだけど、とりあえず強引にねじ伏せ、歌詞の2番に繋いで続きを歌った。でもまあ、やっぱ心の動揺は隠せず、サビは歌詞が順不同になるし、もう頭も演奏もぐちゃぐちゃだったよ。


でも竜くんが来てくれたので気分は良かった。演奏を終えて改めて皆さんに竜くんを紹介し、竜くんも軽く自己紹介をした。

「...10年ほど前に家業の水道工事会社が潰れまして、会社にあった廃材を使って、それこそ夢遊病者のようにいろいろと作りはじめ... そのときタイミングよく『誰でもピカソ』から声がかかって... 最初に作ったのが...」(以下、多少下ネタなので省略、笑)

俺は席に戻り、改めて初対面のごあいさつ。でもメールでかなりやり取りしていたし、『誰でもピカソ』出場時の映像も送ってもらって見ていたので、動く竜くん、しゃべる竜くんを見ても、初めて会うような気はしなかった。竜くんも俺のブログをけっこう読んでくれたようだし、お互い「あれ?こんな人のはずじゃぁ...」ってところは全然なく(たぶん)、とてもスムーズに打ち解け合えた。


歌会「お客さん編」はつづく。小林さんが「浜田麻里」と「AKB」をやったり(チャレンジャ~!笑)、松山千春のそっくりさん(超うまっ!)がいたり...


竜くんの番が回ってきた。何かやってくださいという皆の声に、「いやいや、今日はまだ、準備ができてませんので...」。竜くんはギターを練習中らしいのだが、ギターに関してはかなりシャイで慎重派... そんなところも俺と似ている(苦笑)。

嫌がる人を強引にやらせる俺ではないし、店ではないが、俺が「じゃあ、トークだけでもお願いします(笑)」と振ってみたら、いそいそとステージに向かう竜くん(笑)。さすがアートバトル・チャンピオン!


以下、竜くんのトークから抜粋&編集。

「若い頃、さだまさしさんの『転宅』という歌を聞きまして、人生の理不尽というか、不可抗力というか、そういうのを感じて...」

「今まで10数年、いろんなものを作ってきましたけど、なんせ置く場所がない... ギター1本で表現できる芸術っていいよなって、ま、そういう不順な動機でもあるんです」

「私の最終目標はストリートなんです。紅白も出るでしょうし、武道館でもやるでしょうけど、私が本当にやりたいのは、ストリート、ストリートなんです...」

「今の子どもや若者たちを見てて、ちょっとかわいそうだなと... 学校や社会は、ああしろこうしろって言いますけど... 本当はもっと自由でいい... ただ褒めてやればいい... そういうことを伝えたいなと...」

「60のオッサンが若者つかまえて説教しても誰も聞かないし、下手したら連れて行かれちゃいますけど(笑)、でもギター持って何か歌ってたら、面白がって聞く人もいるんじゃないかと...」


ま、こんな感じ。そのあと女将のMさんが「せっかくだからカラオケでも」と勧めると、「それじゃあ...」と言って、さだまさしの『寒北斗』を歌った。渋い選曲(笑)。誰も知らなさそうだったけど、俺はよく知ってるよ。scissors

その後も竜くんは俺相手にいろいろと語ってくれた。「コピーをやる意義について」、「言霊について」、「生まれ変わりについて」...


  えーっと、またちょっと長くなってますが...(汗)
  もうちょっと、もうちょっとだけ書かせてね。m(_ _)m


ま、そんなこんなで俺はエキサイティングな時を過ごし、歌会「お客さん編」もそろそろ終わろうかという頃...

カランコロ~ン♪

ひとりの青年がギターケースを担いで店に入ってきた。見慣れぬ顔。この店に似つかわしくない若さ(笑)。でっかいガタイに不釣合いな色白の童顔が印象的だ。聞けば雑誌だかネットだかで「農家の歌会」のことを知ってやってきたらしい。今日は珍客万来だな。最近ギター始めたのかな? なんか初々しいなあ... 若いっていいなあ... (なんて思っていたのだが...)

で、歌会「お客さん編」のラストバッターとして、この青年(HDI君)がステージに立った(座った)。夜も更け、お客さんもだいぶ帰ってしまっていたが、残ったオジサマたち(含む俺)は、子どもを見守るような温かい眼差しで彼の第一声を待った。そして...

ボブ・マーリーみたいになりたいよ~♪

・・・ でもなれないよ~♪ (だったかな?)

とにかく、なかなか良かった。度肝を抜くとまでは行かないけど、歌詞が1フレーズ1フレーズ、心に飛び込んでくる。曲は単純なスリーコードで、言葉数も少ない。でも何故かひきつけられ、最後まで聞いてしまう。う~ん、やるなあ...

2曲目。今度は、「だれか一緒にやってくれませんか?簡単な曲なんで」と言って天ちゃんを引っ張り出したした(笑)。はじめての場所で、すごい度胸...。どんな曲だったか、ちゃんとは覚えてないが、スリーコードに乗せながら

愛してる~♪ 愛してる~♪

と連呼・絶叫。う~ん、やるなあ...。聞けば小学校だか中学校だかからギターを始め、人前で歌うようになってもう何年も経つとか。ちょっと前までは、国立にある老舗ライブハウス『地球屋』にレギュラー出演していたらしい。道理で... 参りました。m(_ _)m

ちなみに『地球屋』には俺も昔、パンクバンドのベースとして1回だけ出たことがあるよ(自慢?)。
check it out! → 『SALMON


で、HDI君がステージを終えて席に戻ってくると、竜くんが「あの出だしあたりの歌詞の、『○○○』は『△△△』のほうがいいんじゃない?」と、いきなり食って掛かった(汗)。さすがアートバトル元チャンピオン(笑)。俺が「いや、あそこは『○○○』でいいんじゃないっすか」と反論すると、「ぬぁにを~!喧嘩すっか?(笑)」と... 一言の歌詞について、こういう議論ができることがとても嬉しかった。


歌会「お客さん編」(1巡目)が終わり、ステージではオジサマたちが2順目の演奏をマッタリと楽しんでいる。そのうち俺にもお声が掛かった。俺は先ほどの不甲斐なさもあり、若者のHDI君に刺激を受けたこともあり、よっしゃ! と。

大往生 (key:D)
思い切ってできた。ほとんど緊張せずに。ヤケクソというか、開き直りというか。HDI君に向かって、竜くんに向かって、どうだ!(いや、どうです?)という気持ちで。何というか、はじめて「攻め」の気持ちで歌ったのかもしれない...

席へ戻ると竜くんが good 「よかったですよ。歌詞だけ読んだ時は『う~ん(イマイチ)』って感じでしたけど...」。竜くんは「歌が人に伝わるかどうかって、バイクのエンジンをかける時の、ギアが噛むかどうか...」みたいな表現をしていた。


さらに夜が更け、お客さんはどんどんいなくなってゆく。竜くんも「春になったらまた会いましょう。温かくなったら焼き芋屋は終わりですから」と、再会を約して帰っていった。


店には最後の5、6人。俺はHDI君とトーク。あれこれインタビューした(最近の俺はけっこう積極的)。「普段どんな音楽聞いてんの?」「目標は?(プロとか目指してんの?)」など。ついでに俺の最近の悩みについても相談してみた。歌い方とか、声の出し方とか、要するに「自分の声」って一体何なんだ?みたいな。

するとHDI君、「それ、ちょっと前の俺ですよ。そのうち抜け出せますよ」と。こんなことも言っていた。ギターにしろ歌にしろ、上手くなろうとすると(テクニックを追い求めると)結局誰かに似てきてしまう... そういうのはやめた。今は楽しさに主眼をおいて、なるべく「抜いて」歌うことを意識している...みたいな。

やっぱそうなのか。こういう人(生まれながらに迷いなくその道を歩んでいる人)でも、やっぱそういうところを抜けてきてるんだな。そう思うと、何か俺も同類のような気がして嬉しかった。っていうか、こういうアーティスト談義みないなことが出来たことが、すごく嬉しかった。ま、今回は一方的に教えを乞うただけだったけどね。


ふ~っ... 今回の歌会も濃かったなあ。最近の歌会は出会いがいっぱいで、考えることもいっぱいで、毎回お腹一杯。ブログもつい長くなってしまう (うぅ...グッタリ、苦笑)。

でもこれからもきっと、もっともっといろいろな人に出会っていくだろう。こういうことにも少しはタフになっていかなくては...


       《歌会日記(9)おしまい》


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