レール
僕はレールのそばを
とぼとぼと歩いてきた。
あの日、列車を降りてから
それでも僕はレールのそばを...
列車へ戻るでなく
荒野へ駆け出すでなく...
若者たちを乗せた列車が
次々と僕を追い越してゆく。
少しレールを離れ
荒野を彷徨ってみるけれど
そこには何もなく
すぐにレールに戻ってきてしまう。
もう何度立ち止まったことだろう
今また立ち止まり、見渡す荒野。
遮るものは何もない。
本当はどこへだって行ける。
せっかくレールを降りたのなら
もっと遠く、できるだけ遠く...
行ってみようか
列車もレールも見えなくなるくらい。
一歩一歩、恐る恐る
まだ見ぬ地平線の向こうへ...
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